前振り
「こんどはなんだ？」
「ありゃ、本当に来ちゃった。」
「この安アパート。貴様さざんかか！」
「あ、はい」
「よもやこいつにまでとは、 多津丘めが仕事をしていればこんなことには…」
「やー、じゃー、えーと、 とりあえずお茶でもいかがでしょう？ 減るもんじゃないですしちょっとだけでも、ね？ あ、これ中国茶で飲むだけで脂肪が減るって評判のお茶でねー」
「ほう、それは…、いや、待て。 私もゆっくりしているわけには…」
「けどモエちゃんってあんな挨拶してたから〜、 もっと強面かと思ってたらなんか美少女って感じですよね〜。」
「モ、モエちゃんはやめろ！」
「キャッ、熱っ！」
「！！」
「む、すまん、お湯をこぼしたか、 火傷はしていないか？すぐ冷やせよ、うむ。驚かせたか。申し訳無い。」
「もう、モ…」
「待て！」
「…」
「私の名前はイルザークだ。」
「…イルザークさん急に大声出すから、もう。」
（某日曜朝アニメのＯＰ曲が突如）
「（ピッ）私だ。 なに？更新作業？相解ったすぐ戻る。」
「あれ、お仕事ですか？」
「うむ、それと…」
「？」
「ちゃん付けは勘弁願う。 ついでにタクシーを呼んでくれ。以上だ。」
「あ、はあ。」
「ふん、 自分では携帯端末を持たんくせに人には持たせおって。 こちらから連絡を取ろうにも梨の礫は奴の方だ。」
「あと１０分ぐらいで来るそうです。」
「ご苦労。」
「あの〜、もし良かったら番号教えてくれませんか？」
「？」
「さっきの携帯の」
「知らん、見たければ貸してやる。 出きるなら呼び出し音をもう少し大人しいのにしてくれ。 あやつめ何の酔狂だか妙なものにしおって。 こないだ服を買いに行った先で鳴らされたときは周囲の目が痛かったぞ。」
「（ピッピッ）はい、変更しときましたよ。 あと番号もばっちりです。」
「ふむ、あれ以外なら何でも構わん。 ご苦労だった。む？」
「あ、タクシー来ましたね」
「これ以後適当な呼び出しは控えてくれ。 では私は帰る。」
「はーい、お疲れ様です〜。」
「・・・ふう」
「あ、カモメちゃんのとこに電話しなきゃ、もしもーし。 モエちゃんの電話番号教えてもらっちゃってね〜、……」