20041211

　「そういえばさざんかー」
　「…そろそろ眠りかけのとこだったんだけど、急ぎの用？」

　「いや、ぜんぜん。じゃあおやすみ。」



・

・・

・・・

　「あー、もうっ。」

　「」

　「気になっちゃったでしょうが。さっきのなんなの。」
　「…寝かけてたんだけど。」

　「私もね。だからさっきの“そういえばー”って？」
　「んー、柴さんとこの、」
　「クール風味のまきなちゃん？」
　「じゃなくって、」
　「柴三郎さんをちゃん付けで呼んでた謎博士？」
　「そっちも気にはなるけど、」
　「だからなに、ほらちゃっちゃと答える。」
　「まぐ菜ちゃんの携帯ってわかる？」

　「ひーろーしー、私というものがありながら。」
　「や、誤解、むしろ曲解、えーと、連絡取れるなら今後の対策を」
　「寝入りばなーに何考えてたんだかちょーっと、ねぇ？」

　さざんかやおら立ち上がる。 ずれる布団、寒がる広史。

　「え、さむ、なに？ちょっと？」

　布団を肩にかけなおして呆然としている広史の腹のあたりに腰を下ろす。

　「まうんとぽじしょーん」

　まず耳。

　「え・・・・、ったたた、痛いんですけどー？」

　口に指をかけて左右に。

　「はへてよー、ほふはほへほふへ。」
　「あうあっえうああえおあーいえおいーあえお？」
　「ひょほはいあうああいえおおうあ、うー。」

　「ぷっ、広史変なかおー、あはははははは。」
　「へふいんははらはひあいしようよ、…ふぅ、眠いし明日にしよーよー。」



　「うん、じゃ眠いし明日ね、おやすみ。」
　「おやすみ。」